僕は世界中の電話という電話は母親という女性たちのお膝の上にのっているのじゃないかと思うときがある。特に女友達に欠けるときなんかがそうで、必ずママが出るのだ。
もちろん僕にやましいところはないし、出てくる母親たちに悪気があるわけでもない。それどころか彼女たちは、まるで巨大なシャンパンの便みたいに行為にあふれていて、まごまごしていると僕をあたまから泡だらけにしてしまうほどだ。特に最近はいけない。例の東大入試が中止になったおかげで僕たち高校三年生というか九受験生は、「かわいそうだ」という点でナショナルコンセンサスを獲得した趣がある。あの安田砦で奮戦した反代々木系の闘志たちまで、「受験生諸君にはすまないと思うが」なんて言うほどなんだから、これは大変だ。
